#松井レポート 2023.6.10 ACTwrestling 新木場公演

6月10日(土) ACTwrestling 新木場公演

@新木場 1st RING


この日のリングアナウンサーはかなみっくが務めた。何度も言うようだが、メンバーの厚みがすごい。どんな分野にも長けた人が絶対にいるというのは中々ないことだろう。

8月の後楽園ホールでは更に新人5人のデビューが予定されている。また層が厚くなると同時に競争社会も加速化していく。そうしてアクトレスガールズはもっと発展していくだろう。


第1試合

水嶋さくら & 後藤智香

vs

岩井杏加 & 藤本こあら


先に行くと手を挙げるこあらを岩井は押し退けさくらと先発に。前回大阪公演ではメインで対戦をした2人、今回は第1試合で勢いを見せる。さくらがドロップキックで押し切り智香へ。岩井と智香はエルボー合戦。智香は中々強いエルボーを放つ。岩井が「そんなもんか」と煽ると智香はビッグブーツを連発。しかし岩井は背面への低空ドロップキックからギロチンドロップでやり返しこあらにチェンジ。久々にリングに立つこあらは肝が据わってるのかかなり堂々としている。智香はジャイアントスイングを20周回し切りさくらに。さくらとこあらは同事務所に所属する者同士。さすがにここは戦績を重ねてきたさくらの一方的な展開に。こあらはどうにか回転足折り固めで丸め込むもカウント2。岩井にチェンジ。岩井は卍固め。しかしさくらは切り返し両者攻防を繰り返す。岩井が優勢を取りファイナルカットもさくらはブリッジで切り返し、最後は笑顔120%スクールボーイで素早く丸め込み3カウントを奪った。



# 松井所感

若手4人のオープニングマッチはとても好感。こういう勢いの良さから始まる興行が私は個人的に好きである。

こうしたところで埋もれない個性の強さが大事だと思う。さくら、岩井、智香はかなり試合を重ねてきてるので粗方キャラクター性が勝手に出てくるだろう。印象に残りやすい。その中でやはりこあらは試合回数が少ないのが誰の目から見ても明らかだ。試合数が少ないから仕方がないとも言えるが、言い訳してても意味が無い。こうした1回でしっかりと爪痕を残せていけたらと思う。これはこあらに限らず試合数が少ない人は何人かいる。皆とにかく試行錯誤して頑張って欲しいと思う。


また、岩井は蛇道衆のメンバーと組んでないと悪役には見えないのが…それは本人の狙いなのかどうなのか。せっかくならこういう時1人だけ悪を振り切ってみたらもう1つ岩井杏加の印象が強くなりそうだ。


第2試合

茉莉 & 朝陽

vs

未依 & キラ☆アン【みいちゃんアンちゃん】


先発は旧体制メンバー茉莉と未依。静かにチェーンレスリングで立ち上がる。変わったキラ☆アンは「ちょっと待った!家来たち、2人まとめてかかってこい」と2対1のハンディキャップを自ら提案。しかし、茉莉と朝陽は実力者。呆気なくキラ☆アンはやられてしまう。キラ☆アンは突然笑い出し「ハッハッハ!家来たちよくここまできた。」途中からセコンドの蛇道衆岩井杏加が通訳「褒めてやろう。しかし!この俺様に勝てるにはまだ早い…」しかし岩井は独りでにヒートアップしキラ☆アンが言ってないことまで語り始める。それを同じく蛇道衆のアレンが叩いてリングから引きずり下ろす。その間リング上には未依も入ってきて4人入り乱れる。戦況は一旦落ち着き、未依と朝陽に。未依はくまちゃんで朝陽をボコボコに。と同時にリングサイドに『謎の赤顔の人物』が現れる。謎の人物はリングサイドをゆっくりと徘徊。リング上では変わらず攻防が続く。未依が暫く捕まり防戦一方に。謎の人物はリング上にも上がってくるが、試合には干渉せず謎は謎のまま姿を消した。未依がなんとかダイビングフットスタンプを茉莉に浴びせキラ☆アンにチェンジ。未依とキラ☆アンは息ぴったりにかかと落としを決め「アップデートプラス、シャー」と抜群のアピール。キラ☆アンは腕ひしぎ十字固め、更にハイキック、ラリアットを次々に決めて茉莉を追い詰めるが朝陽がフォローに入り、連携攻撃から茉莉の熨斗紙でキラ☆アンから3カウント。



# 松井所感

キラ☆アンの暴走から、岩井がしゃしゃりだし、更に何も回収されない謎の人物がただ徘徊するという、なんともカオスな一戦。ただとにかく情報量がすごいだけで、何も繋がってはない。面白いかもっていう一発ギャグを意味もなく放り込み続けただけ。これがエンターテインメントの面白さだと言うのなら、きっと私はエンタメには向いていない。
キラ☆アン、茉莉、未依、朝陽という経験の長い4人のマッチアップはもっと堅実に見てみたかったというのが私の正直なところだ。特に未依と朝陽の対戦は刺激的。また叶うことを願っている。

第3試合

皇希【The Royal】

vs

CHIAKI【BE∀STZ REBELLION】


若手トーナメントを制し、その後敗れるも青野未来の防衛戦を懸命に戦い、前回6/4大阪で夏葵から3カウントを奪ったノリに乗る今が旬のCHIAKIは、次回対戦相手に皇希を直接指名した。CHIAKIは「お前だけ先に行かせねえ」と闘争心を露にした。

手四つを求める皇希にCHIAKIはガットショットで仕掛けるが、両者鮮やかに側転で見合い。グラウンドレスリングはCHIAKIがフロントネックで絞り上げ皇希に顔面ウォッシュでヒールの頭角を見せる。切り返した皇希の170cmプレスをCHIAKIは剣山で向かい撃ち、ボストンクラブ。次を狙うCHIAKIに皇希は抗いエルボー。両者譲らないエルボー合戦はやや皇希に分が。皇希は串刺しラリアットから串刺しビッグブーツを連続で決めカナディアンハンマー。コーナープレスを狙うが、CHIAKIは立ち上がりコーナー上の皇希を落としスピアー。CHIAKIは意地の叫びで奮い立たせアルゼンチンバックブリーカーからムーンウルフ、続いてロコモーション式フィッシャーマンズスープレックスで決めにかかるが、3発目を皇希が切り返しショートレンジのラリアット、更にスパインバスターで投げつけるがカウント2。両者ダメージが溜まりダウン。先に起き上がった皇希がラリアットを連発するもCHIAKIはスクールボーイ。ロープに飛んだCHIAKIに皇希はパワースラムもCHIAKIはカウント1で返し殴り掛かるが、皇希はバックドロップも2。そのままアメジストバタフライで潰しカウント3を奪った。

皇希は颯爽とリングを後にした。


# 松井所感

CHIAKIはシングルマッチ6連戦したらしい。結果的に試練の何番勝負みたいな感じになった。4月から行った新人トーナメント以降のCHIAKIの成長には目を見張る。しかし皇希には及ばず。これがスターとの違いか。私自身にも痛く響くものがある。

皇希とCHIAKIの2人に限らず、もうほぼ皆やはり役者というだけあって表現力が素晴らしい。視線の集め方をよく知っている。しかし最近少し気になるのはアピールやキャラ先行になっていき、基礎的な部分が疎かになっていること。明らかなスタミナ切れをしているのに強そうに見せられても正直冷める。試合が1番の練習とはよく言うが、本当の練習は練習でやって頂きたい。間やアピールは確かに大事だが、それを休憩のようには使って欲しくは無い。試合時間だけ全力疾走し続けられるくらいの体力を。豊かな新人達と松井に差があるとしたらもうそのくらいだろう。今一度基礎を見直して来られたら簡単に越えられてしまう。本当に新人の成長は鬼気迫る。末恐ろしい。

セミファイナル

澄川菜摘 & 夏葵【The Royal】

vs

惡斗 & 入江彩乃【BE∀STZ REBELLION】


先発は澄川と彩乃。パッと見ると澄川の黒コスもヒールにしか見えない。チェーンレスリングは澄川が主導権を握っていく。しかし彩乃がボディスラムで投げ付けチェンジし、期待の惡斗と澄川のマッチアップに。最初からヒートアップはせず澄川がオーバーするとすぐに夏葵に変わる。夏葵は攻撃を仕掛けようとするも惡斗は切り返し、ビーリベの餌食に。夏葵も必死に食らいついていくが逃れられず。夏葵はなんとかドロップキックで澄川にチェンジ。澄川は膝を連続で突き立てていく。ロイヤルの連携を彩乃はかわし2人にランニングネックブリーカー。再び惡斗と澄川に。惡斗はフロントネックロックから後頭部にドロップキックを突き刺し変型カルメリア。コーナーに登った惡斗に夏葵がハイキックを決め、澄川が電光石火のランニングダブルニーアタック。両者エルボーを撃ち合う。もつれ合い澄川は馬乗りでエルボーを叩き込みランニングニーアタックは2。澄川のダイビングダブルニードロップは彩乃がカット。澄川はフィッシャーマンズスープレックスを狙うが惡斗は逃れてコンプリートショット。しかし両者ダウン。同時チェンジで彩乃と夏葵はドロップキックで飛び出る。夏葵が先制を握り串刺し式ジャンピングニーからダブルフットスタンプ。彩乃はスタナーで切り返しビッグブーツも2。彩乃は極楽固めを狙うが澄川がカット。夏葵はカウンターのフェイスバスターからハイキックを2連発、更にジャンピングニーアタックも2。彩乃をコーナーに寝かせダイビングフットスタンプは惡斗がカット。夏葵のシャイニングウィザードをすかした彩乃が主耳も2。彩乃の北海どーんを夏葵は首固めからハイキック、すかさずジャックナイフで丸め込むもカウント2。立ち上がった夏葵に惡斗がミサイルキック。彩乃は北海どーんから変型極楽固めで絞り上げ夏葵はギブアップ。



惡斗「BE∀STZ REBELLIONの勝利だ!!ロイヤル、どうだロイヤル。お前らはセンターユニットって言えない状態まで今来た。菜摘、感想はどうだ?」

澄川「確かに。なんかどのユニットも勝ったり負けたり確かにしててハッキリしないよね。だけど、今は後輩の夏葵だったり智香だったりが揉まれて成長する時期だと思ってます。でもそんなに急いでんなら、今のベストメンバーでどのユニットが1番か決めましょうよ。」

惡斗「いいねいいね。全ユニットでユニットトーナメント開幕するぞ!いろんなチームがあるからそこでいろんな色だしてね、どこが1番か決めようじゃねえか。でもただ優勝だけっていうのも味気ないからさ。なんか賞品?特典付けようよ。彩乃何がいい?」

彩乃「あの、現金、賞金…って言いたいところなんですけど、現実問題考えて次のアクトレス本の表紙っていうのはいかがでしょうか?」

惡斗「優勝プラスね思い出に残る表紙。センターユニットってやつの表紙。どこが1番かどうなるのか詳細は後日!みんな楽しみにしとけよ!以上!」

# 松井所感

センターユニットって一体なに?それは具体的に何がゴールなのか。私はずっと疑問に思っている…。

正直惡斗と澄川のマッチアップにはもっと激しいものを期待していたが、まだそれは早いということか。このくらいの探り合いが次回を楽しみにさせると思う。ロイヤルとビーリベの非常に王道な正義と悪の対決の期待値は上がる一方。また次にはより高いものを求められていく。1人の観戦者としては今後に楽しみしか感じない。

メインイベント

青野未来 & なる

vs

松井珠紗 & 山田奈保【てっぺん☆】


先発から前哨戦となる青野と松井。ロックアップは青野が押し込みオーバー。松井は笑ってブレイクを待ちガットショット。チェンジした奈保はドロップキックを連発。しかし青野はカウンターでボディスラムを叩きつけるとサッカーボールキックを2連発。なると奈保は高速エルボー合戦。奈保が超連発を放ちコーナーに上ると、なるが追っかけコーナー上でもエルボー合戦。奈保を落としたなるがセカンドロープからミサイルキック。変わった青野は串刺しドロップキックを連発。青野のバッファロースリーパーは松井がカットしてっぺん☆のダブルドロップキック。奈保が足山の字固めで絞るもなるがカット。奈保はダブルアームフェイスバスターで青野を叩きつけるも2。松井にチェンジ。松井はミスティカ式クロスフェイスロック。コーナーにぶつけ串刺しアタックを狙うも青野はドロップキックで迎撃し39ロック、ニークラッシャー。吹っ飛んだ松井の足をロープにかけ、脚にドロップキック。更にローキック、脛にもローキックで徹底的に足を潰す。青野はバズソーを狙うが松井は逃れ青野のハイキックを掴みストレッチマフラーホールドで同じく足を狙う。スライディングクロスボディアタックも2。青野はハイキックからダブルアームスープレックスも2。青野のレインメーカーを松井はすかしてウラカン。松井は青野の顔面に膝を突き刺し足掛け式の高角度DDTも2。松井は向かってくる松井にカウンターラリアットを決めチェンジ。なるは超高角度ミサイルキック。松井は串刺しニーアタックで切り返しロープへ振るも攻防を両者かわし合うが、なるがDDTから押さえ込んでカウント2。なるは低空ドロップキックを連発。ロープに飛んだなるに奈保がスタナー。更に青野をドロップキックで吹き飛ばし、松井と奈保がヌカドーラで担ぎあげるもなるは丸め込み立ち上がったところを青野はダブルラリアット。なるは逆打ちを狙うが松井は堪えてコーナーにぶつけ青野のラリアットをかわし誤爆させると変型フィッシャーマンを狙うがなるは首固め。なるは続けてDDTを決めると青野に連携を求めるが青野のハイキックが誤爆。松井と奈保の同時ダイビングクロスボディアタックで青野を分断すると、松井は変型フィッシャーマンズスープレックスからMKDで叩きつけ3カウントを青野に見せつける。



松井「私が6/24に青野未来のもつシングル王座に挑戦する松井珠紗です。なる、お前めっちゃいいな。そんなところで燻ってないで早く登ってきてください。待ってます。そしてチャンピオンの未来さん今日は直接勝つことは出来なかったけど、完全決着は次回6月24日一騎打ちでしっかり決めましょう。ようやく未来さんとシングルができるの私本当に楽しみにしてます。よろしくお願いします」

2人は握手。

朝子「みささんは!Twitterで凡人って言ってたけど、みささんは凡人なんかじゃない!感動しました!私も動きます!私も!ユニットを!つくります!!朝子軍で、一緒にトーナメント優勝目指す人!いますかー?」

キラ☆アンが上がる。

キラ☆アン「いいじゃーん朝子軍いいじゃーんマジリスペクト。」

松井「あんた蛇道衆じゃん」

キラ☆アン「レンタル移籍中です。よし!今から特訓してくぁwせdrftgyふじこlp OK!」

澄川「え?なんて?なんて言ったか分かりますか!?今…(青野に)分かりました?」

青野「多分…、アップデート、ロイヤル、ビーリベ、てっぺんに勝つ。蛇道衆は好きだから戦いたくないって」

澄川「え!!?なんで分かったんですか!?すご!なんで!」

朝子「未来さん!ありがとうございます!(青野をキラ☆アンと一緒に引っ張り)ユニットトーナメント私たち3人で力を合わせて頑張ります!朝子軍応援よろしくお願いします!」

松井「未来さん、そんなに遊んでると足元掬われますよ」

青野は全力で首を横に振り、逃げていく。



# 松井所感

6月24日のタイトル戦で。



今回休憩中には次回6月24日の対戦カードを決める抽選会があった。そしてこれからユニットトーナメントの抽選会も恐らくあるだろう。今までのトーナメントも仕掛けゼロの抽選会を行った。それによって初代シングル王座のトーナメントの表だけは中々面白くないものが出来たがそういうのも一興ということで。(笑)

アクトレスガールズは、自分たちにしか出来ない独自の道を確実に歩んでる。

その象徴が完全お客様任せの抽選会っていうのはちゃちいかもしれないが…、まずはこういうところから。

今は私たちもバタバタと忙しないが、これが大きくなっているということなのだろう。

次回もてんこ盛り。どうぞご期待ください。